毎日写真を撮っていますか？
今はスマホで簡単に写真が撮れるので、毎日撮っている方も少なくないかもしれません。
写真を撮るという行為が当たり前だからこそ
改めて客観的に捉えることができる展覧会が開催されています。
| 特別展「鷹野隆大 毎日写真 1999-2021」 | |
| 場所 | 大阪中之島 国立国際美術館 |
| 期間 | 2021年6月29日(火)〜9月23日(木) |
| 「Viva Video! 久保田成子」展 同時開催 | |
| ※開催内容は変更する場合がございます。 詳細は公式HPか施設へご確認をお願いします。 ※展示室内は作品によって撮影可能でした。 |
鷹野さんは
「テーマやコンセプトから離れて無目的に撮っている」
と言葉を残されているのですが、
「IN MY ROOM」、「カスババ」シリーズ。
それらが集まって展示されているのを見ると
とても丁寧に身近なモノ、ヒトが切り取られている事を愛しく感じます。
相反して定点観測の様な、
東京タワーとその都市部の景色の変化が見られる写真もあります。
無感情に灰色の世界が記録されているのですが、なぜが愛しいのです。
毎日、当たり前の日常は
見ている側が大きな感情を動かすことはないかもしれませんが、
ただ淡々と軌跡を確実に積み重ねています。
写真は現実の軌跡、痕跡、影なんですね。
毎日の影を写した「日々の影」シリーズからは
毎日写真がより軌跡的（辿ってきた跡、影）に感じます。
影は自分が写っている時も自分の所有物にはなりません。
全てを永遠に所有することができないことが分かっているから、
私たちは写真を撮って残すのかもしれません。
ただ淡々とした日常。
所有することができない毎日。
だけど一瞬一瞬がかけがえのないもので、素晴らしい出会いと発見があるのです。
参加型のライブインスタレーション作品の
「欲望の部屋 Green Room Project」は
無目的ではなく、部屋に入った私たち鑑賞者が何とかして自分の影を形に残そうとします。
暗闇で初めて出会った６人。
赤く緊張が走る部屋で起こるとまどい。
ただ影を残すという目的は同じです。
鷹野さんも知らない一期一会の出来事が起こっています。
毎日は何が起こるか分からないから楽しいのですね。
特別なこと、そうでないこと、過ぎ去った事。
もし写真で撮り逃しても瞬きというレンズで毎日私たちは撮っていますよ。
日々を大切に生きたいと思える展覧会でした。
▼同時開催の「Viva Video! 久保田成子」展はこちら▼
