§ 京都の山手にある「大山崎山荘」
日常やせわしなさから解放されたい時に、
京都の大山崎町に訪れます。
山手の自然に溢れ、
地元の方々が工夫を凝らして
文化継承をされている素敵な町です。
中でもニッカウヰスキーの創業者が設計した
「大山崎山荘」は後世に残したい遺産です。
天王山に向かって歩いていくと、
山荘の入口となるトンネルが迎えてくれます。
そのトンネルを抜けると、
自然の恩恵を受ける美の世界へと踏み入れるのです。
英国のチューダー・ゴシック様式を基にした
山荘は地域の方々の支援もあり、
保存復元され文化遺産となっています。
§ 避暑地のような「大山崎山荘美術館」
山荘は「アサヒビール大山崎山荘美術館」に
生まれ変わって多くの方に愛されています。
コレクションは紀元前の宝物から様々な陶器、
河井寛次郎などの「民藝」作品、
近代美術の洋画まで多岐にわたりますが
全て至極の作品ばかりです。
コレクションだけではなく、
建物や内装の細部までが作品と言える
溜息が出るほど贅沢な美術館です。
§ 近代建築と現代建築の融合
山荘を「美術館」として最大限に活かす為、
安藤忠雄氏が2つの展示館を設計しています。
I「夢の箱」(山手館)安藤忠雄
以前は蘭の温室があった方へ向かう
池の傍らの遊歩道を抜けると展示室です。
こちらでは企画展のメインとなる作品が
よく展示されているようです。
開館25周年記念の企画展では、
ドガ、ルノワール、ゴッホ、ボナール、
ピカソ、ルオー、ジャコメッティ等
素晴らしい作品を堪能させて頂きました。
「開館25周年記念 夢をめぐる-絵画の名品より』 | |
場所 | アサヒビール 大山崎山荘美術館 |
期間 | 2021年3月20日〜2021年7月4日 |
月曜休館(5月3日は開館) | |
※開催内容は変更する場合がございます。 詳細は公式HPか施設へご確認をお願いします。 |
特にモディリアーニの「少女の肖像」は
その美しさに感動して、
少女と同じようにつぶらな目で首を傾け
見入ってしまいました。
展示だけではなく、
美術館の外の景色も季節によって変わります。
5月に訪れると…
池に水蓮の花が咲いていました。
水蓮の池というとクロード・モネ。
「大山崎山荘美術館」はモネの作品も沢山収蔵されています。
II「地中の宝石箱」(地中館)安藤忠雄
「地中の宝石箱」は
まさしくモネの為に建てられた展示館です。
緑の景色を突き抜ける灰とガラスの世界。
特別な地下室へと導かれるのです。
直島の「地中美術館」もですが、
モネの「水蓮」は
なぜ地中に展示されるののでしょうか。
晩年まで睡蓮が映る水面を永遠に見つめ続けた
モネの瞑想のような境地と同じ静けさが
地下にはあるからかもしれません。
§ 四季折々の庭園を愛でる
美術館へ入らずとも庭園は無料で楽しめるのも
この山荘が地域に愛される理由のようです。
春・3月
庭園の広場では桜を堪能できました。
そして、新緑の季節の景色も素晴らしいです。
初夏・5月
自然の移ろいこそ芸術の根源かもしれません。
次回は秋・紅葉の季節に訪れたいと思います。
§ 絶景でひとやすみ
最後に「大山崎山荘美術館」のとっておきのお楽しみが「喫茶室」です。
山荘の調度品に囲まれたお部屋でお茶を味わえます。
珍しいワインケーキや、
美術館とリーガロイヤルホテルがコラボしたケーキなどが頂けます。
そしてテラス席もあり、
そこからは美しい景色を堪能しながら過ごすこともできます。
喫茶室にもバーナード・リーチの作品や
貴重な逸品があるのでお見逃しなく。
新型コロナウィルスの感染予防の為、
一時期喫茶室は閉められていたので
感染対策をされ再開して下さったことに感謝いたします。
一生の内に一度は訪れたい場所
「大山崎山荘美術館」。
どの季節に行っても
心の避暑地となることは間違いないでしょう。
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