「私の好きな写真は
ソール・ライター
何も写っていないように見えて
片隅で謎が起きている写真だ。」
ニューヨークが生んだ伝説の写真家
§「永遠のソール・ライター」展
意表を突く視点や構図でありながら、
温かみのあるソール・ライターの写真。
『ハーパス・バザー』などのファッション誌でのフォトグラファー職を退き、
名声よりニューヨークでの日常を生涯撮り続けることを選んだ写真家です。
そんな彼の展覧会が2017年以来、再び日本で開催されています。
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 「永遠のソール・ライター」 | |
場所 | 美術館「えき」KYOTO |
期間 | 2021年2月13日〜2021年3月28日 |
会期中無休 | |
※開催内容は変更する場合がございます。 詳細は公式HPか施設へご確認をお願いします。 |
『Early Color』Saul Leiter 2006
ソール・ライターは80歳の時にドイツのシュタイデル社から出版された、
初の写真集『Early Color』により再び注目を浴びるようになったようです。
展覧会では
1950年代のフィルムで撮影した写真から
2000年代デジタルカメラで撮影したものまで織り交ぜて展示されていますが、
年月が経っても変わらない一貫した視点があります。
そして彼のカラー写真は
モノの色味の真髄を見ているように思えます。
「私たちは色彩の世界で生きている。
ソール・ライター
私たちは色彩に囲まれているのだ。」
意図的に作られた色味ではなく、日常に溢れる色を愛したソール・ライター。
彼の作品に触れていると、自分自身も日常の見え方が変わってくるのです。
§ 作家の物語を垣間見る「コンタクトシート」
今回の展覧会ではプリントされた写真以外に、
モノクロのフィルムを印画紙に直接焼き付けた
ベタ焼き「コンタクトシート」も展示されています。
「時折見逃してしまうんだ。
ソール・ライター
大切なことが 今 起きているという事実を。」
映画のフィルムのように
ソール・ライターが見つめていた世界を
前後の流れを通して物語のように垣間見ることができます。
§ 人の真実の姿とは
ソール・ライターはファッション写真やニューヨークの情景だけではなく、
自分自身のポートレートや身近な人たちの写真もたくさん残しています。
「真実の姿」は鏡に映るものだけではない。
「永遠のソール・ライター」展
影や人がいた痕跡、鏡の映り込みやレンズの間にいる自分、人から見た自分。
全てが真実の姿なのかもしれません。
§ 大切な人と出会う人生
今回の展覧会の醍醐味は、ソール・ライターが写した身近な人達の写真を通し、
彼の人との付き合い方が分かるところかもしれません。
「成功者になれる人生か、
大事な人に出会える人生か。
私なら大事な人と出会える人生を選ぶね。
人と心を寄せ合える人生を。」「本があるのは楽しかった。
ソール・ライター
絵を見るのも楽しかった。
誰かが一緒にいるのも楽しかった。
互いに大切に思える誰かが。
そいうことのほうが私には成功より大事だった。」
どんな人生を送るかはその人次第ですが、
多くの人が彼の作品や展覧会、言葉に触れて
日常に溢れる幸せを味わってほしいと願う展覧会でした。
ソール・ライターのプリントされていない作品はまだまだ山程あるそうです。
展覧会ではその断片をスライドで見ることができます。
参考:●『ソール・ライターのすべて』著者/ソール・ライター 発行/(株)青幻舎
引用:●『永遠のソール・ライター』発行人/清水芳郎 発行/(株)小学館
▼和の味わいでちょこっと腹ごしらえ▼